世界のホウ酸処理 情勢

ホウ酸処理で長寿命な健康住宅をつくろう

 

ニュージーランド

日本と同じ島国で、四季の変化に富む国です。シロアリ、ヒラタキクイム


シ、シバンムシに悩まされています。木材にパイン材を多く使用し、ツー


バイフォー建築の構造材として使用される松の部類で、防腐やシロアリに


は強くない種類です。そのために世界に先駆けて、木材の害虫対策にホウ


酸処理を義務化しました。

 

1950年、ホウ酸処理の結果を40年後の1992年に検証しました。1件の被害


も出ていないことが実証されて以来、今も採用され、100%のシェアを維持



しています。

 

ハワイ

日本の7倍のシロアリ被害。1985年、構造部材(土台、梁、根太、床下地


板、柱)への防蟻処理が義務づけられました。

 

CCAと呼ばれるヒ素系の農薬が主流で、発がん性のある六価クロムやヒ


素が含まれるため世界中で全面的に禁止。1992年、ホウ酸処理が導入さ


れ、わずか2年でシェア90%。現在、全構造材にホウ酸処理が採用されてい



ます。

 

米本土

1990年からCCA処理からホウ酸処理が選択され、害虫予防として導入さ


れています。また、ホウ酸こそが木材保存処理として、最も有効な手立て



であることがわかっており、主流に使用されています。

 

イギリス等、EC諸国

ヨーロッパではシロアリの被害はほとんどありませんが、1980年後半から


防腐処理にホウ酸を用いることが主流になっています。ヨーロッパでは化


学防腐剤が禁止されているため、キャビアの防腐剤として天然鉱物のホウ



酸だけが使用されています。

 

日本のシロアリ予防剤

以前の使用薬剤・・・有機塩素系農薬→有機リン系農薬、ヒ素系健康被害が


          報告されたことから現在使用禁止。


現在の使用薬剤・・・ネオニコチノイド系、合成ピレスロイド系が主流で


          す。2013年5月にEUの主要国がネオニコチノイド


          系農薬が2年間使用禁止とされました。

                

日本ではいまだ主流で使用され、代替品の研究が行われていますが農薬系


の合成殺虫剤に変わりはありません。

 

特にシロアリ被害の多い熊本では、健康志向の高まりで、農薬系化学薬品



から、自然素材のホウ酸処理に変わりつつあります。